運動していても、糖の摂り過ぎには注意しましょうー
●高血糖が血管を傷つけるメカニズム
なぜ、高血糖になると血管内皮が傷つけられるのでしょう?
これにはいくつかの要因がありますが、もっとも大きいのは酸化ストレスの増加です。酸化ストレスとは、体内の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化反応が勝ってしまう状態のことです。高血糖、喫煙、活性酸素などが酸化ストレスを増加させます。そして酸化ストレスが増加すると、それまで弛緩・収縮をくり返していた血管内皮機能の働きが悪くなり、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクとなります。
2つめはAGE(終末糖化産物)が形成されるためです。AGEというのは、タンパク質と糖が結びついた物質で、糖尿病合併症を引き起こす重大な原因の1つです。過剰な血糖は、糖化反応によって血管内皮のコラーゲンなどさまざまなタンパク質に付着します。付着した糖の一部はアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となり、これがさらに糖と結合してできるのがAGEです。AGEがたまると、血管内皮細胞に障害を起こします。
3つめは興味深い話題です。血糖の上昇・下降をくり返すような間欠的な高血糖は、抗酸化システムの増強を妨げるとされ、慢性的な高血糖よりも細胞を傷つけるメカニズムが強く働く可能性が指摘されています。とくに食後血糖値の急上昇(ブドウ糖スパイク)がもっとも危険と言われています。
これら3つの結果として、食後高血糖が動脈硬化の進展とプラーク(肥厚性斑状病巣(ひこうせいはんじょうびょうそう))脆弱性を招くことが判明しつつあります。
そして、食後高血糖を生じるのは「糖質・脂質・タンパク質」のうち糖質だけなのです。カロリー制限主体の食事療法では、ブドウ糖スパイクは決して防げません。ぜひ糖質制限食で身を守ってください。
(「主食をやめると健康になる」)
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