●テーラーメードダイエットと糖質制限食
玄米魚菜食、断食療法、糖質制限食を経て、いま私は一人ひとりの年齢・体質・病状・嗜好に合わせたテーラーメードの食事療法(tailor mede diet)を提唱しています。
症状の改善だけなら、人類皆糖質制限食でよいと思いますが、地球の人口70億人を養うために穀物は必要です。このことをふまえて食い分けが必要だと考えています。
例えば、小児、青少年、アトピーや喘息の若い人、成人でも糖尿病やメタボリックシンドロームなどがない人なら、主食を未精製の穀物(例えば玄米)にして「高雄病院食生活10カ条」を実践すればよいと思います。
運動選手など日常的に運動をしている青少年は、ある程度の量の未精製穀物を摂っても、筋肉がどんどん血糖を利用するのでブドウ糖ミニスパイクも生じにくく、大丈夫です。一方、読書家タイプで運動をあまりしない青少年は、未精製穀物を摂るにしてもやや少なめにしておくほうが無難です。
すでに糖尿病を患っている人やメタボの人は、糖質制限食がベストの選択です。糖質制限食は糖質が少ないので食後血糖値の上昇がほとんどなく、常に脂肪を燃やすエネルギーシステムが活性化しており、肥満解消や生活習慣病予防にもおおいに役立ちます。
このように「テーラーメードの食事療法」の枠組みで考えていけば、玄米魚菜食と糖質制限食は対象が異なっており、矛盾は生じません。
玄米魚菜食、糖質制限食、断食に共通する現象があります。それは食前・食後血糖値の差が少なくて、代謝が安定することです。これが食事療法の効果という点で決定的に重要といえます。
(「主食をやめると健康になる」)
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