現在の自分の状態がわからないと、どれくらい栄養を摂れば良いかわかりませんよね?
●全身的な栄養状態を知るための血液・尿検査
僕自身は、予防歯科のメニューとして、予防歯科精密検査を行っています。これはむし歯や歯周病、不正咬合の本質が誤った食生活によって引き起こされる疾患であるという考えから、どうしてそれらの疾患が起こったのか、今後それらの疾患を予防するにはどうすればよいのかを知るために、全身および局所の栄養状態や免疫状態を詳しく検査したり、生活習慣や食生活を詳しく調べたりする検査です。
予防歯科精密検査は主に4つの検査から成っています。血液・尿検査・唾液検査、生活習慣アンケート、一週間食生活アンケートです。血液・尿検査は分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)の診査・診断法を利用しています。
分子整合栄養医学とは、分子生物学に重点をおいて、体内に正常な分子バランスを作りだす医学です。分子整合栄養医学はさまざまな慢性疾患や精神疾患、ガン治療などで応用されている代替療法の一つであり、すでにすぐれた臨床成績を収めている治療法です。予防歯科に分子整合栄養医学を応用することで、より詳しい栄養状態や免疫状態などを把握し、対応することが可能になりました。
血液・尿検査は80項目以上の詳細な検査項目からなり、体の状態を詳しく調べ、どういった栄養素が不足しているのか、どういった全身的な問題があるのかを調べます。唾液検査は唾液の分泌量および唾液の緩衝能を調べ、これによってむし歯や歯周病の予防に重要な唾液の状態が正常であるかどうかを確認します。生活習慣アンケートは、普段の生活状況を詳しく調べる検査です。既往歴、家族歴などのほか、睡眠時間や仕事の忙しさ、ストレスの有無、喫煙や飲酒の習慣、運動や趣味なども詳細に調べます。一週間食生活アンケートは、文字どおり一週間の間に食べたり飲んだりした水以外のすべてのものを記入してもらうことで、食生活の特徴を調べ、問題点の把握や改善のためのアドバイスを行なうものです。
こういった一連の検査によって、疾患の本質的な問題点を把握し、改善のためのアドバイスや必要に応じてサプリメントの処方などを行ないます。歯科でこのような取り組みは、全国でもまだほとんどなされてはいませんが、口腔疾患の本質を知れば、口の中だけの治療をいくら頑張っても大した意味はないことがおわかりいただけることでしょう。
(「歯医者が虫歯を作ってる」)
コメントをお書きください