●ランニングの筋肉・脂肪・糖・乳酸
すべての筋肉は遅筋と速筋をブレンドしたものです。
遅筋のみでできた筋肉も、速筋のみでできた筋肉もありません。
遅筋と速筋には、運動強度が低いうちは遅筋が使われて、運動強度が高くなると、遅筋に加えて速筋も働くという性質があります。
ランニング中、遅いスピードで働いているのはもっぱら遅筋で、スピードを上げていくと速筋の動員率が一気に上がります。そして、速筋の動員が一気に増えるポイントが、先ほど説明した無酸素性代謝閾値です。このときに「乳酸」という代謝物が生まれます。
速筋で生じた乳酸は、遅筋に運ばれて、有酸素系システムを介してエネルギーを生み出すためのエネルギー源になります。しかし、この乳酸をつくるためには、糖が必要です。糖は体内にごくわずかしか蓄えられませんので、乳酸が生じるような速いスピードで走ってしまうと、速い段階で糖が枯渇し、ペースダウンを余儀なくされます。このターニングポイントもまた無酸素性代謝閾値といえます。
※無酸素性代謝閾値
ランニングのような持久的な運動を続けるには、運動中に筋肉が取り込む酸素をつねに供給してあげる必要があります。
しかし、運動強度、ランニングでいうところの「走るスピード」を上げると、あるポイントを境に酸素を使ったエネルギーの生成経路だけでは、必要なエネルギーを生み出せなくなります。その境目の強度のことを「無酸素性代謝閾値」といいます。
(「毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる!」)
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