パソコン作業中に正しい姿勢で座るコツは何だろう。治療家養成塾「ヘルメス」(東京都港区)代表で、独自の姿勢矯正法に定評がある片平悦子さんは「いつもより座骨を3センチ後ろに引き、座骨の前の方に体重をのせること」と断言する。
座っている時に、座面にふれるゴロゴロした骨が座骨だ。片平さんによると、ほとんどの人は、座骨の後ろの部分で体重を支えているため、骨盤自体が後ろに傾き、腰や背中が丸くなっている。
ところが、座骨を引くと、骨盤が正しい位置にセットされ、背骨や股関節、大腿骨など骨盤に連なる骨や関節がすべて安定する。「これに伴って、腰痛や肩、首、背中のこりも解消されていく」と、片平さんは言う。
正しく座れているかどうかのチェックポイントは二つ。一つは、反り腰になっていないか。お尻が後ろに突き出ていたり、胸をはっておなかが前に出ていたりする座り方は、かえって腰を痛める。
もう一つは頭の位置。まずは、両耳の最上部を指でつまみ、天井に向けて真上に引っ張ってみる。そのまま体を前後に少し揺らし、首が最もスッキリしていると感じる位置を探す。そこがベストポイントだ。
片平さんの治療経験によると、パソコン作業をする人は利き腕にかかわらず、左側に重心を乗せていることが多い。このため、1時間に1回は右に重心を移すことを意識するといいそうだ。(鈴木敦秋)
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