本日患者さんに肉食が日本人の腸に合っているか?との話がありましたが、タンパク質の消化・分解を助ける消化酵素が働けば問題なさそうですね。
重度の低タンパク状態の場合
皆さんこんにちは、さとうながおです。たまにこの書き出しを使いますが、今回は砂糖のことではなくて、単なる気まぐれです。今日書くのは重度の低タンパク状態の場合、どうするかです。というのもタンパク質欠乏が重度になると、タンパク質そのものの消化・吸収能力が低下してしまい、食事からタンパク質をうまく吸収できなくなってしまいます。お肉を食べるとおなかが張るとか、おなかが痛くなるとか、気持ち悪くなるといった人です。このように低タンパク状態の人はタンパク質の消化・吸収能力が低下するため、タンパク質摂取を敬遠するようになり、それがさらなるタンパク質欠乏を招いてしまいます。そこでこのような状態の人がタンパク質を摂るにはどうすれば良いかを書きます。
まず低タンパク状態の人にもっとタンパク質を取らせるために最も重要なのが、意識の改善です。というのも日本人の少なくない人が、肉食は体に...良くないという思い込みを持っているからです。どうしてそういう思い込みが生まれたのかは以前書きましたが、栄養学的にみればこれは全くナンセンスな話です。肉を食べるくらいなら病気になって死んでも良い、と考えている人にはもはや何もする術はありません。しかし現在でも根強くある肉食悪玉論は、メディアでも菜食主義団体でも盛んに喧伝されますが、この理論の本質は疾病利権と強く結びついているという事、すなわち不健康な人が増えれば増える程儲ける人たちにとって都合が良いからこそ広められているのだという事に、早く気づいてもらいたいものです。
重度の低タンパク状態の人は、全身の細胞新生にとって必要なタンパク質が不足しているために、細胞の新生が上手くいかなくなっています。タンパク質の消化のところでも書いたように、胃の粘膜は強酸である胃液から胃を守るために、常に細胞が新しく再生しています。低タンパク状態ではこの細胞の新生が障害されているため、胃壁の委縮が起こっています。タンパク質を吸収するためには胃で胃酸とペプシンによって、ペプトンという状態まで消化・分解される必要があるのですが、これが上手くいかなくなっているのです。
よって重度の低タンパク状態の人はタンパク質吸収に最も重要な、胃での消化・分解が上手くできなくなっています。ですからこれを補う必要があるのです。弱った胃の消化能力を助けるのに有効なのが、消化酵素です。タンパク質の消化・分解を助ける消化酵素を食事と一緒に摂ることによって、タンパク質の消化・分解を促すことができます。また、それでもなおタンパク質が上手く消化できないという人には、消化・分解の必要の無いアミノ酸を摂ることが必要になるかもしれません。
いずれにせよ、低タンパク状態は長期間にわたる食事からのタンパク質欠乏から起こります。低タンパク状態になってから改善させようとするよりも、低タンパク状態にならないように日頃からのタンパク質摂取をしっかりと行う事の方が重要であることはいうまでもありません。
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